西住みほの闇は「人間失格の葉蔵」説。エゴグラム(ディグラム)で人物分析。

ガールズアンドパンツァーに登場する女の子は
たった一人の例外を除いて
自分の気持ちに正直で素直な性格のキャラクター
です。

外向的な性格のキャラクターは
明るく、楽しく、活動的ですし、
内向的な性格のキャラクターは
マイペースに自分の生活を楽しんでいます。

自分の気持ちに正直に生きている人間は
表情に迷いがありません。

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彼女たちが快活に笑っているのは
仲間たちと楽しい部活ができて
嬉しいからです。

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彼女たちが微笑んでいるのは
自分に自信があって、精神的に余裕が
あるので穏やかな気持ちになっているからです。

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ところが西住殿のこの歪んだ笑顔は
なんでしょうか?
これは、いわゆる
作り笑い、愛想笑いという類のものですが
テレビシリーズ、劇場版をとわず、
西住殿はこの歪んだ笑顔をするシーンが
非常に多い。
心からの快活な笑顔や、落ち着いた微笑み
になるシーンは僅かしかありません。

人間という生き物は楽しくなくても
嬉しくなくても笑顔を作る習性があります。

私たち日本人の少なくない人間が
恥をかいたときに、なぜか笑顔になります。
いじめられている子供は
なぜかヘラヘラと笑います。

恥をかいて嬉しいから笑うのでしょうか。
いじめられて楽しいから笑うのでしょうか。
違いますよね。
恥をかいて、いじめられて
内面が激しく傷ついて動揺して悲しい気持ちに
なっていることを周りの人間からから隠すために
笑顔になっているのです。

ある種の草食動物は
怪我や病気で体が弱っていても
それを隠して、健康を装う習性があります。
これは、肉食動物が草食動物の群れを襲うとき
怪我をして、病気になって体が弱っている固体
をターゲットにして狩をするからです。
弱さが攻撃を誘発してしまうわけです。

だから人間も傷つき弱っているときこそ
笑顔を作って平静を装うのです。

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人間失格とガルパン

太宰治の「人間失格」の冒頭で
主人公の葉蔵が写真に写った少年時代の自分を
評して、「猿のような気味の悪い作り笑い」
をしているといいます。

そして、西住殿も・・・もちろん、アニメ美少女
なのだから猿のように醜くはないですが
作り笑いをします。

けれど、葉蔵も西住殿も別に
恥をかかされてる訳でもなければ
いじめられているわけでもありません。

それなら、この作り笑いはいったい何を
隠すための作り笑いなのでしょうか。

エゴグラムの視点からこのように分析できます。

西住殿と葉蔵は、AC(従順な子供)が優位なタイプです。
二人とも繊細で感性が鋭く周囲の人間の感情や意図を
敏感に感じ取って、周りの期待に応えよう、周りの
要求に従おうとします。

もし西住殿と葉蔵が単純に従順な子供だけが優位なら
別に問題はないわけです。二人とも地味で目立たないけれど
平穏で幸せな生活を送るでしょうし、周りの人間も
トラブルを起こさない精神的に安定した穏やかな
信頼できる人間だと評価してくれます。

ところが二人は、AC(従順な子供)の値が高いのと
同時にCP(頼れるパパ)の値も高いのです。
そして、従順な子供と頼れるパパは互いに矛盾する側面
のあるタイプです。

従順な子供とNP(優しいママ)の値が高い人間は
周りに気配りができて優しく世話好きな性格になります。

従順な子供とA(合理主義)の値が高い人間は
表面上は人に合わせながら、実はちゃっかり自分の
得になるように行動する隠れた知恵者な性格です。

従順な子供とFC(自由な子供)の値が高い人間は
自由に振舞いたい欲求と周囲にあわせたい気持ちが
矛盾しますが、それは個人の内面の葛藤として
現れるのであって、その葛藤が外側にでてくる
ことはありません。

それに対して、
自分の理想を貫きたい、自分の正義にみんなを従わせたい
と考えるCP(頼れるパパ)と周囲の目を気にして
自己主張を抑えるAC(従順な子供)は
お互いに矛盾してしまいます。

人間失格の葉蔵は小説中の描写によると
大変な美男子で、知能優秀で、芸術的な資質にも
恵まれている人物です。
つまり、黙っていても目立ってしまう強力な個人なわけです。

けれど、体面や伝統を重視する昔の田舎のお金持ちの家では
そのような個性は決して歓迎されるものではありません。
たぶん葉蔵の実家は、過干渉と過保護によって
個人の自主性を奪うという方法で、彼の本来の個性を
抑圧してしまったのでしょう。
その結果、葉蔵は自分の個性を主張することに
罪の意識を感じる人間に成長してしまいました。

そして、ガルパンの西住殿もまた
優れた才能に恵まれていて、強烈な自我を持つ
強力な個人です。
なにせ、彼女は優秀な姉のまほでさえ従っている
西住流の戦車道に反感を持っているのですから。

彼女は勝利のためにひたすら前進する西住流よりも
自分の考える周囲の仲間を大切にする戦車道のほうが
正しいと心の中では考えてるのです。

けれど、そのことが周囲にバレてしまうと
母親からは嫌われ、姉からは距離を置かれて
エリカ様(^^)からは嫌味を言われて
黒森峰から出てゆかなければならなくなってしまった
わけで、彼女は自分の信念や理想を持つことに
罪悪感を感じる人間になってしまいました。

だから、二人は自分の信念や理想に反する
状況に従わざる得ない状況になったとき
心の中でその状況に対する強烈な反感が湧き出てきて
そのことに強い罪悪感を感じて激しく動揺して傷ついている
ことを
周囲の人間から隠すために歪んだ笑顔をつくるのです。

「人間失格」の葉蔵は田舎から東京に出てきた後も
人間関係に恵まれず、自分の心のうちを誰にも
わかってもらえずに薬物中毒で廃人になってしまいます。

それに対して「ガルパン」の西住殿は
大洗に転校して自分の戦車道を支持してくれる
仲間をえて、最後には姉の所属する
黒森峰高校を打ち破り
姉のまほから
「みほは自分の戦車道をみつけたんだな」と
自分の主張をみとめらえて
心からの笑顔をみせます。
みほの心は戦車道に救われたわけです。
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「戦車道には人生に大切なことがつまってるんだよ」
ということなのです(^^)

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